FCB工法の概要
FCB工法は、原料土(砂質土)とセメント、水および気泡を混合、またはセメント、水および気泡を混合した気泡混合軽量盛土工法です。
特徴
- 軽量性
γ=5~14kN/m3(単位体積質量が設定可能) - 強度特性
一軸圧縮強さ (qu=300~3000kN/m2) - 流動性
材料分離せずに最大500m程度圧送可能(エアミルクの場合) - 自立性
固化後自立するために水平土圧の軽減が可能
残存型枠を使用することにより鉛直盛土の施工が可能
特性
分類 | 特性値 | 期待できる数値 |
---|---|---|
軽量性 | 単位体積質量 | 5~14kN/m3 |
力学特性 (材齢28日) |
一軸圧縮強さ | 300~3,000kN/m2 |
せん断強さ | 150~1,500kN/m2 | |
曲げ強さ | 100~1,000kN/m2 | |
引張強さ | 60~600kN/m2 | |
変形係数(E50) | 68~680MN/m2 | |
静弾性係数 | 500~1,500×MN/m2 | |
ポアソン比 | 0.2~0.25 | |
透水性 | 透水係数 | 10-5~10-9m/sec. |
熱特性 | 熱伝導率 | 0.093~0.349W/m・K |
耐久性 | 相対動弾性係数 | 90%以上(凍結融解300サイクル後) |
流動性 | フロー値 | 180±20mm(JHS A 313) |
安定性 | ブリーディング率 | 2%以下 |
配 合 例
NO. | 砂セメント比 s/a |
一軸圧縮強さ qu28 kN/m2 |
湿潤密度 kNm3 |
空気量 % |
配合(kg/m3) | |||
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セメント (高炉B種) |
水 | 細粒材※ | 起泡剤 (OFA-2) |
|||||
1 | 0 | 500 | 5.2 | 67 | 298 | 208 | – | 0.278 |
2 | 0 | 800 | 5.8 | 64 | 334 | 225 | – | 0.266 |
3 | 0 | 1000 | 6.0 | 63 | 353 | 227 | – | 0.263 |
4 | 3 | 500 | 9.1 | 54 | 185 | 163 | 555 | 0.225 |
5 | 3 | 1000 | 10.0 | 50 | 210 | 162 | 630 | 0.210 |
用 途
FCB製造方法
FCBはプレフォーム方式により製造します。先ず、マトリックスとなるセメントミルク、モルタルをミキサーで混練しておきます。これに起泡剤(界面 活性剤系,OFA-2)と圧縮空気から発生した気泡群を混合して製造します。
FCB保護壁
FCBは固化する前は流動性のある材料です。そのためコンクリートと同様に型枠が必要となります。また、硬化後のFCB表面を保護することが必要となります。
そのため打設型枠と保護をかねてコンクリートパネル材が使用されます。
●保護壁に要求される性能
- FCB打設時の側圧に対して安定であること。
- 耐久性・耐水性に優れるコンクリート製品であること。
- パネル固定用の金具に防錆処理が施してあること。
また、最近では山岳地等では重機を使用しないで組立が可能な用に人力により運搬が可能な小型パネル材が使用されています。
コンポジットパネル